- 著者
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川名 好裕
- 出版者
- 立正大学心理学部
- 雑誌
- 立正大学心理学研究年報 The journal of psychology Rissho University (ISSN:21851069)
- 巻号頁・発行日
- no.8, pp.1-13, 2017
インターネット調査(調査参加者は、日本全国からのサンプルで968名の男性と967名の女性。年齢20歳~49歳)で集積したデータをもとに、愛情関係にある男女における交流内容(コミュニケーション、共行動、身体接触)と心理的魅力(情熱性、親密性、性欲性、コミットメント)との関係を分析し検討した。 分析の結果、以下のような知見が得られた。性欲性と関係の深い交流内容は男女とも身体接触であった。情熱性との関係では身体接触、コミュニケーションとの関係が深く、女性においては共行動は情熱性を排斥する負の関係にあった。親密性との関係では、男性においては共行動、身体接触、コミュニケーションという関係順位であり、女性においてはコミュニケーション、共行動、身体接触という順序であった。男性においては身体接触が、女性においては、コミュニケーションが親密性の構築に影響を及ぼしているようである。コミットメントとの関係では、男女とも身体接触が最も大きな影響力があり、続いて共行動、コミュニケーションという関係順序であった。 性欲性は身体接触によって、情熱性は身体接触とコミュニケーション、親密性はコミュニケーション、共行動、身体接触によって、コミットメントは、これら3 つの交流内容のうち、特に身体接触によって進展するという知見が得られた。