著者
川名 好裕
出版者
立正大学心理学研究所
雑誌
立正大学心理学研究所紀要 (ISSN:13482777)
巻号頁・発行日
no.9, pp.89-101, 2011

Three hundred forty-four young female students rated the interpersonal attraction of 40 different various male pictures. They also rated the degree of desires to be the friend, the lover, the sex partner and the marriage partner. Factor analysis extracted 4 different kind of attraction, which are the beauty attraction, the healthy attraction, the interpersonal attraction, and the social attraction. Making these 4 different attraction factors as independent variables, and the degrees of desired relationships with the male picture stimuli as the dependent variables, the stepwise multiple regression analysis were conducted.The standardized multiple regression coefficients showed the importance of the kind of attraction determining the degree of desired relationships (Friend, lover, sexual partner, marriage partner). The beauty attraction is most valued in love and sexual relationships. The social attraction is most valued in the marriage relationship. The interpersonal attraction is valued most in the friend relationship. The kinds of attraction are valued differentlyaccording to the kind of desired relationships.
著者
川名 好裕
出版者
立正大学心理学研究所
雑誌
立正大学心理学研究所紀要 (ISSN:13482777)
巻号頁・発行日
no.10, pp.31-47, 2012-03-21

首都圏の大学生が授業の一部の時間を使って実験調査アンケートに参加した。分析に適した有効データ数は、男性106名、女性139名であった。アンケート調査用紙に、笑顔の有るもの、無いものの写真40種類の女性の写真のうちの1つが判定刺激写真として印刷されていた。この顔写真をみて、その外見的魅力や内面的魅力についての評定と、その写真人物との関係希望の度合い(友人希望、恋人希望) を回答させた。因子分析の結果、外見的魅力は、美的魅力、健康的魅力の2つに下位分類され、内面的魅力は、対人的魅力、社会的魅力、の2つに下位分類された。写真刺激の笑顔の有無、アンケート回答者の性別の他に、写真刺激の美しさの判定から顔の美醜を加え、三元配置の多変量分散分析を行った。多変量にあたる従属変数は、美的魅力、健康的魅力、対人的魅力、社会的魅力の4つの魅力と、友人希望と恋人希望の2つである。笑顔の有無は、美的魅力には有意な影響力をもっていなかったが、笑顔のある顔の方が笑顔の無い顔より健康的魅力があるという結果であった。また、笑顔のある方が笑顔のない方より、有意に対人的魅力があると判断されていた(p<.01)。逆に、笑顔の無い方がある方より社会的魅力があると判断されていた。しかし、笑顔の有無は友人希望や恋人希望には有意な影響力をもっていなかった。美醜判定の影響力については、醜顔の方が美顔より健康的魅力ありという結果であった。美醜判定の関係希望への影響力は、笑顔の有無の影響力より大きく、醜顔より美顔の方を圧倒的に友達希望においても恋人希望においても有意に高く評定していた。
著者
川名 好裕
出版者
立正大学心理学研究所
雑誌
立正大学心理学研究所紀要 (ISSN:13482777)
巻号頁・発行日
no.9, pp.89-101, 2011-03-21

Three hundred forty-four young female students rated the interpersonal attraction of 40 different various male pictures. They also rated the degree of desires to be the friend, the lover, the sex partner and the marriage partner. Factor analysis extracted 4 different kind of attraction, which are the beauty attraction, the healthy attraction, the interpersonal attraction, and the social attraction. Making these 4 different attraction factors as independent variables, and the degrees of desired relationships with the male picture stimuli as the dependent variables, the stepwise multiple regression analysis were conducted.The standardized multiple regression coefficients showed the importance of the kind of attraction determining the degree of desired relationships (Friend, lover, sexual partner, marriage partner). The beauty attraction is most valued in love and sexual relationships. The social attraction is most valued in the marriage relationship. The interpersonal attraction is valued most in the friend relationship. The kinds of attraction are valued differentlyaccording to the kind of desired relationships.
著者
川名 好裕
出版者
立正大学心理学部
雑誌
立正大学心理学研究年報 (ISSN:21851069)
巻号頁・発行日
no.9, pp.1-14, 2018-03-31

インターネット調査(調査参加者は、日本全国からのサンプルで968名の男性と967名の女性。年齢20歳~49歳)で集積したデータをもとに、精神的恋人関係、性的恋人関係、結婚関係について男女別々にクラスタ分析を行なった。分析の結果、以下のような知見が得られた。精神的恋人関係のクラスタは、男性では、相思相愛型、平均型、嫉妬型、冷めた関係型であった。女性では、情熱型、平均型、浮気型、友達型であった。性的恋人関係のクラスタは、男性では相思相愛型、平均型、嫉妬型、冷めた関係型であった。女性では、相思相愛型、性的満足型、友達型、冷めた関係型であった。結婚関係のクラスタは、男性では、相思相愛型夫婦、平均型夫婦、嫉妬浮気型夫婦、冷めた夫婦であった。女性では、相思相愛夫婦、平均型夫婦、セックスレス夫婦、冷めた夫婦であった。全般的に男女の愛情関係は、「相思相愛カップル」、「仲が良いのに喧嘩するカップル」、「冷えているが関係が続いているカップル」、「別れが予感されるカップル」の4種類におおよそ分類されるようである。男女関係は、性的関係やコミットメントという意見態度の類似性以外の要因でも結びついているので関係は非性的な通常の関係より複雑である。
著者
川名 好裕
出版者
立正大学心理学部
雑誌
立正大学心理学研究年報 (ISSN:21851069)
巻号頁・発行日
no.2, pp.1-8, 2011-03-31

Fifty-four males and 128 females at the age of around twenty years old were asked about the importance of 47 items in three kinds of man-woman relationships. They are the sexual relationship, the romantic love relationship and the marital relationship. Factor analysis extracted 3 different kind of attraction, which are the mental attraction, the practical attraction and the hedonic attraction. The mental attraction is more valued in the romantic love relationship and the marital relationship. The practical attraction is valued gradually in romantic love relationship through the marital relationship. The women value the practical attraction most in the marital relationship. The hedonic attraction is valued most in the sexual relationship.
著者
川名 好裕
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.67-76, 1986-08-20 (Released:2010-11-26)
参考文献数
19
被引用文献数
5 5

本研究の目的は, 対話状況において聞き手が話し手に与える相づちや, うなずきと言った社会的強化が, 相互の対人魅力にどのような影響を及ぼすものであるかを調べることであった。40人の大学生が, 自分の作った話をする話し手の役割か, その話を聞く聞き手の役割のどちらかを演じた。話し手と聞き手との対人的認知の違いを対照するために, 各々の被験者は, 終始それぞれの役割を演じた。話し手は二人の別の聞き手に, 同じ話を同じ調子でした。聞き手のうちの一人は, 相づちや, うなずきなどの社会的承認を与えて話し手の話を聞いた。もう一人の聞き手は, そうした社会的強化を話し手に与えずに話を聞いた。聞き手の方も, 二人の話し手の話を聞いたが, 一人の話し手には社会的強化を与え, もう一人の話し手には社会的強化を与えなかった。実験の結果, 明らかになったことは次の4点である。1. 話し手は, 相づちのある聞き手の方を, 相づちのない聞き手より好意的に評定した。2. 聞き手は, 自分が相づちを打った話し手の方を, 相づちを打たなかった話し手より, 好意的に評定した。3. 相づちの有無の違いによって変化する対人魅力特性は, 感情的・社交的魅力であり, 知的・道徳的魅力ではなかった。4. 対話状況においては, 話し手の方が, 聞き手より対人感受性が敏感であることも明らかになった。また, 多次元展開法が多変量の従属変数を全体的にかつ視覚的に表わすのに有用であることが示唆された。
著者
川名 好裕
出版者
立正大学心理学部
雑誌
立正大学心理学研究年報 The journal of psychology Rissho University (ISSN:21851069)
巻号頁・発行日
no.8, pp.1-13, 2017

インターネット調査(調査参加者は、日本全国からのサンプルで968名の男性と967名の女性。年齢20歳~49歳)で集積したデータをもとに、愛情関係にある男女における交流内容(コミュニケーション、共行動、身体接触)と心理的魅力(情熱性、親密性、性欲性、コミットメント)との関係を分析し検討した。 分析の結果、以下のような知見が得られた。性欲性と関係の深い交流内容は男女とも身体接触であった。情熱性との関係では身体接触、コミュニケーションとの関係が深く、女性においては共行動は情熱性を排斥する負の関係にあった。親密性との関係では、男性においては共行動、身体接触、コミュニケーションという関係順位であり、女性においてはコミュニケーション、共行動、身体接触という順序であった。男性においては身体接触が、女性においては、コミュニケーションが親密性の構築に影響を及ぼしているようである。コミットメントとの関係では、男女とも身体接触が最も大きな影響力があり、続いて共行動、コミュニケーションという関係順序であった。 性欲性は身体接触によって、情熱性は身体接触とコミュニケーション、親密性はコミュニケーション、共行動、身体接触によって、コミットメントは、これら3 つの交流内容のうち、特に身体接触によって進展するという知見が得られた。
著者
川名 好裕
出版者
立正大学心理学研究所
雑誌
立正大学心理学研究所紀要 The journal of the Institute of Psycology, Rissho University (ISSN:24322059)
巻号頁・発行日
no.14, pp.3-12, 2016

愛情関係にある男女における心理的魅力の変化を分析研究するためにインターネット調査を行った。調査参加者は、日本全国からのサンプルで968名の男性と967名の女性であった。年齢は、20歳~49歳であった。調査サンプルは、異性の相手が友人、片思い、精神的恋人、性的恋人、婚約者、配偶者の6つの交際進展段階に分類された。親密性、情熱性、性欲性、コミットメントという4つの男女を結び付ける心理的魅力について分析がなされた。これらの心理的魅力因子が性別、関係進展段階、本人の年代について比較研究がなされた。 分析の結果、以下のような知見が得られた。男性は女性より、性欲性がすべての関係段階で上回っていた。女性は、相互の愛情的関係が形成された後では、男性以上に親密性が高いことが分かった。男性は片思い段階以後のすべての段階で女性より情熱性が高いことが分かった。女性は、片思い以後、結婚以前まで情熱性は男性と同じ程度に高かった。男性は男女の関係段階の初期から性的恋人になるまで、積極的に相手の女性にアプローチすることが分かった。女性は、男女の関係段階の最後の段階の婚約、結婚段階で相手へのコミットメントが大きくなることが分かった。最後に、相互作用的要因と心理的魅力要因との関連性について今後の分析が示唆された。 Internet survey was conducted to study the changes of psychological attractions between men and women in love relationships. The survey participants were 968 males and 967 females with ages between 20~49, living in Japan. Samples were divided into 6 different stages of love relationships: friend, unrequited, platonic, love-sexual, affianced and married. The levels of psychological attractions; intimacy, passion, sexuality and commitment were investigated. To assess age and gender differences in these psychological attractions, I have compared between males and females in 20's, 30's and 40's. The results revealed that male were found to be more intensive in sexuality than females in all the stages. Females were found to be more intensive in intimacy than males after mutual loverelationships. Men tend to be more passionate in all stages especially after unrequited stage. Females are equally more passionate in love relationships before marriage. The study also suggested that men are more active in approaches in the early stages of love relationship whereas women are found to be more committed in the later stages of love relationships, especially after engagement. Finally, the association between interactions and psychological attractions were suggested.
著者
川名 好裕
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.37-52, 1999

香港返還1年後に香港の主要マスコミ関係機関を訪問し, 聞き取り調査を実施した。この聞き取り調査実施の主目的は, 返還後の香港マスコミ界の言論・報道の自由の行方を調査すること, 香港マスコミ界の特徴を明らかにすることであった。本報告では, 香港のマスコミ公的機関, 新聞社業界, 放送業界について報告し, 言論・報道の自由が返還1年後の時点において, おおよそ守られていること, および, 新聞業界における紙面づくりの工夫などの新しい動向と, 中国本土市場を見込んだ衛星放送業界の新しい展開等を報告する。
著者
川名 好裕
出版者
立正大学心理学研究所
雑誌
立正大学心理学研究所紀要 (ISSN:13482777)
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-16, 2019-03-30

The internet survey was conducted with 518 men and 606 women respondents, age from 20 to 49,all of them from the Tokyo and around areas. The respondents were asked on the most loving opposite-sex person, in daily life. The collected data were categorized into six types of relationships:friends, unrequited lovers, lovers, fiancées, marriage partners, and extramarital partners. Factor analysis was used to identify the elements of attractiveness, which resulted in the extractionof four factors: aesthetic attractiveness, social position and wealth, interpersonal attractiveness andsocial attractiveness. The three-way( sex, age generation, relationship with the partner) multivariateanalysis of variance was performed using factor scores of attractiveness as the dependent variables. As a result of the analysis, men seemed to have a relationship with the female partners with highaesthetic and interpersonal attractiveness in many types of relationship. On the other hand, womenshowed the tendency to have a relationship with men who have high social status and wealth as wellas social attractiveness in many types of relationship. The study results revealed that the complementarityof attractiveness exists between men and women, both are attracted to a person who has differentfeatures which they do not possess. In a marriage relationship, the partner’s attractiveness scoredthe lowest. It was presumed that in marriage, people decide their partners by giving up much of theseeking attractiveness criterion. As a next step, the three-way( sex, age generation, relationship withthe partner) multivariate analysis was performed on the satisfaction and happiness degree from theperspective of relationship. The results showed that the degree of satisfaction and happiness thatcome from the relationship were higher in order of prospective spouse( fiancé or fiancée), marriagepartner, and lover. The levels of satisfaction and happiness in an extramarital relationship were significantlylower than that of a married couple. We will continue to analyze contradictions between the results of attractiveness, satisfaction, andhappiness degree. The emotional connection between partners was also studied and discussed fromthe perspective of“ giving and receiving love.”
著者
川名 好裕
出版者
立正大学心理学研究所
雑誌
立正大学心理学研究所紀要 (ISSN:13482777)
巻号頁・発行日
no.11, pp.13-23, 2013-03-21

Internet survey was conducted to study the interpersonal attraction of 20 different various female pictures. Data samples were consisted of 968 males and 967 females aged 20-49 years of old all over Japan. Participants rated the various attraction traits of one of 20 pictures. The male participants also rated of the relationship preferences; the degree of desire to be the friend, the lover, the sex partner and the marriage partner. The female participants rated the degree of desire to be the friend. Factor analysis of physical attraction traits extracted 4 different kind of physical attractions, which are the sexy-beauty attraction, the young-healthy attraction, the slim-body style attraction, and the white-sanitary attraction. Also Factor analysis of mental attraction traits extracted 4 different mental attractions, which are the friendliness, conscience, initiative and capability. Making these 8 different attraction factors as explanatory variables, and the degrees of desired relationships with the female picture stimuli as the criterion variables, the stepwise multiple regression analysis were conducted. The standardized multiple regression coefficients showed the importance of the kind of attraction determining the degree of desired relationships( Friend, lover, sexual partner, marriage partner). Generation comparisons showed as follows. The sexy-beauty attraction is most valued in love and sexual relationships by through 20-40 aged males. The males of 20’s also liked the friendliness and the conscience, but hated the initiative of females. The males of 30’s valued the young-healthiness besides the sexy-beauty attraction. They valued nothing of mental attractions. The males of 40’s also valued the young-healthiness besides the sexy-beauty attraction. But they hated the initiative and the capability of females. Female participants valued the initiative and the friendliness, but hated the sexy-beauty attractions in friend relationships, especially in females of 20-30’s. Females of 40’s valued the slim body style, besides the friendliness and the initiative of female friends.
著者
川名 好裕
出版者
立正大学心理学研究所
雑誌
立正大学心理学研究所紀要
巻号頁・発行日
no.14, pp.3-12, 2016-03-31

愛情関係にある男女における心理的魅力の変化を分析研究するためにインターネット調査を行った。調査参加者は、日本全国からのサンプルで968名の男性と967名の女性であった。年齢は、20歳~49歳であった。調査サンプルは、異性の相手が友人、片思い、精神的恋人、性的恋人、婚約者、配偶者の6つの交際進展段階に分類された。親密性、情熱性、性欲性、コミットメントという4つの男女を結び付ける心理的魅力について分析がなされた。これらの心理的魅力因子が性別、関係進展段階、本人の年代について比較研究がなされた。 分析の結果、以下のような知見が得られた。男性は女性より、性欲性がすべての関係段階で上回っていた。女性は、相互の愛情的関係が形成された後では、男性以上に親密性が高いことが分かった。男性は片思い段階以後のすべての段階で女性より情熱性が高いことが分かった。女性は、片思い以後、結婚以前まで情熱性は男性と同じ程度に高かった。男性は男女の関係段階の初期から性的恋人になるまで、積極的に相手の女性にアプローチすることが分かった。女性は、男女の関係段階の最後の段階の婚約、結婚段階で相手へのコミットメントが大きくなることが分かった。最後に、相互作用的要因と心理的魅力要因との関連性について今後の分析が示唆された。
著者
川名 好裕
出版者
立正大学心理学部
雑誌
立正大学心理学研究年報 (ISSN:21851069)
巻号頁・発行日
no.3, pp.19-32, 2012-03-31

College students in Tokyo urban area( 100 women and 128 men) participated in the survey experiments. As stimulus woman faces, 4 different pictures of faces of the same young woman were depicted at the top of the survey sheet. Pictures were either makeup face or non- makeup face and they were either smiling or non-smiling face. The experimental design was 2(sex)× 2(makeup)× 2(smile) independent variable model. The dependent variables were various attractiveness items( 50 physical and mental attractiveness items) and the degree of desired relationship as a friend and a lover. Factor analysis of attractiveness items showed 3 physical attractiveness factors( beauty, sensuality and healthiness)and 3 mental attractiveness factors (sociability, competence and nervousness). Makeup had very strong effects on physical attractiveness and the desired degree of friend and love relationships for males and even for females. Smile had positive effects on sociability and sensuality by males, negative effect on beauty. Males re strongly influenced by the physical attractiveness of the stimulus woman. Sociability seemed not as important for friend relationship as for love relationship by males.
著者
川名 好裕
出版者
立正大学心理学研究所
雑誌
立正大学心理学研究所紀要 (ISSN:13482777)
巻号頁・発行日
no.10, pp.31-47, 2012

首都圏の大学生が授業の一部の時間を使って実験調査アンケートに参加した。分析に適した有効データ数は、男性106名、女性139名であった。アンケート調査用紙に、笑顔の有るもの、無いものの写真40種類の女性の写真のうちの1つが判定刺激写真として印刷されていた。この顔写真をみて、その外見的魅力や内面的魅力についての評定と、その写真人物との関係希望の度合い(友人希望、恋人希望) を回答させた。因子分析の結果、外見的魅力は、美的魅力、健康的魅力の2つに下位分類され、内面的魅力は、対人的魅力、社会的魅力、の2つに下位分類された。写真刺激の笑顔の有無、アンケート回答者の性別の他に、写真刺激の美しさの判定から顔の美醜を加え、三元配置の多変量分散分析を行った。多変量にあたる従属変数は、美的魅力、健康的魅力、対人的魅力、社会的魅力の4つの魅力と、友人希望と恋人希望の2つである。笑顔の有無は、美的魅力には有意な影響力をもっていなかったが、笑顔のある顔の方が笑顔の無い顔より健康的魅力があるという結果であった。また、笑顔のある方が笑顔のない方より、有意に対人的魅力があると判断されていた(p<.01)。逆に、笑顔の無い方がある方より社会的魅力があると判断されていた。しかし、笑顔の有無は友人希望や恋人希望には有意な影響力をもっていなかった。美醜判定の影響力については、醜顔の方が美顔より健康的魅力ありという結果であった。美醜判定の関係希望への影響力は、笑顔の有無の影響力より大きく、醜顔より美顔の方を圧倒的に友達希望においても恋人希望においても有意に高く評定していた。