- 著者
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楊 曄
Ye YANG
- 出版者
- 神戸女学院大学研究所
- 雑誌
- 神戸女学院大学論集 = Kobe College studies (ISSN:03891658)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.1, pp.153-166, 2017-06
国際商事仲裁判断の承認・執行に関する拒否事由を規定した最初の条約は、ジュネーブ条約である。しかし、ジュネーブ条約の規定では、申立人に対し厳しい挙証責任を課しているため、裁判の過程において申立人に不利が及ぶ恐れを排除できなかった。この問題点はその後ニューヨーク条約の規定により、大幅に修正され、現在では、世界のほとんどの国が当該条約に署名している。その結果国際商事仲裁裁判の承認及び執行において、申立人の挙証責任問題は解消されたと考えられる。さらに、UNCITRALモデル法の誕生をきっかけにして、これを国内法化する国が増加しつつあるため、国際商事仲裁判断の承認及び執行は一層容易になっている。