- 著者
-
吉村 輝彦
- 出版者
- 日本福祉大学経済学会
- 雑誌
- 日本福祉大学経済論集 = The Journal of Economic Studies (ISSN:09156011)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, pp.89-105, 2017-09-30
少子高齢化や人口減少の進展, 社会構造の変化に伴い, また, 価値観やライフスタイルの多様化が進み, 地域社会やそれを取り巻く環境が大きく変化してきている. そんな中で, 全国各地で地域まちづくりをめぐる近年の実践の動きは多彩である. 実際に, エリアマネジメント, 地域マネジメント, コミュニティ・マネジメントなど地域づくりにおいてマネジメントに基づくアプローチへの関心が高まってきている. 国レベルでも, マネジメントを切り口に多様な議論が行われるようになってきた. これらの取り組みの特徴としては, 地域文脈を尊重し, 地域資源を活用したアクション志向であり, そのことを通じて, 地域の価値の向上を目指していること, そして, シビックプライドの醸成を含めて「自分ごとのまちづくり」を展開していること, さらに, マネジメントの視点から「自立型のまちづくり」を実現していこうとしていることが挙げられる. ここでは, マネジメント・アプローチによる地域まちづくりの展開を整理するとともに, 名古屋市における取り組み事例をも参考にし, 今後の地域まちづくりのあり方を論じた.