著者
安井 義和
出版者
畿央大学
雑誌
畿央大学紀要 = Bulletin of Kio University (ISSN:13495534)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.65-72, 2017-12

0(零)は実数の加法演算で単位元という重要な存在でありながら小・中・高等学校ではその定義を論理的に学ぶことが極めて少ない。小学校1年生では1、2、3、・・・、9の並びに10を学ぶ。ここで初めて0 を学ぶが、学び方としては10でなくとも、9の次は極言すれば*でも、♯でもいい。そこで本学の「算数学」なる開講科目で数学的な演算からの観点で自然数から0を論理的に構成し、続いて負の整数を構成する。最後には -(-1)=1、3-(-1)=4などが成り立つことを示した授業実践例である。これら2つの式に4つの「-」が あるが、2つ目の式「3-(-1)=4」における「3」の直後の「-」は演算記号で、他の3つの「-」は正負の負の記号である。従って、「3-(-1)=4」を理解する際に「-(-1)=1」を用いて「3-(-1)=3+1」とするのは論理的ではない。本報告では論理的構成の理解をサポートするためにトランプカードを使用してゲーム的に理解することが特徴的である。

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