著者
鈴木 啓司
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集. 人文・自然科学篇 = Journal of Nagoya Gakuin University (ISSN:03850056)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.23-41, 2018-01

「モノそのもの」であることを表現する言語の構築を目指す新物質主義の思想にのっとり,数学概念のモノ化を目指す。数学は特定の指示対象をもたぬ極めて抽象的な言語であるだけに,逆に人間という「モノそのもの」の内奥から湧き出,それを映し出している言語であると考えるからだ。具体的な対象として,実数,虚数を合わせすべての数を表示する複素平面を取りあげる。認識論的存在論から話を起こし,実数を自己に,虚数を他者になぞらえて解釈する。当初は「あちら」と「こちら」という原始的世界他者意識が,のちに両者が交叉し,中間に「自己」意識を結ぶ。自己とは他者=世界の後付けで生まれたものである。通念とは逆行するこの虚数から実数へという流れを,複素平面のなかに読み込む。こうした観点から,オイラーの公式,さらにはリーマン予想にまで言及する。

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