著者
長谷川 将規
出版者
湘南工科大学
雑誌
湘南工科大学紀要 = Shonan Institute of Technology journal (ISSN:09192549)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.103-116, 2018-02

本稿は、経済制裁への理解を深めるため、経済制裁をめぐる以下の4つの問いを考察する。経済制裁は有効なのか。なぜ国家は経済制裁を利用するのか。どのような状況下で経済制裁は有効になるのか。経済制裁の成否はどのような基準によって評価されるべきなのか。従来の研究は、経済制裁は有効なのかという不毛な問いに焦点を当てる傾向があった。また、経済制裁を「強制」(ターゲットの譲歩や行為の修正)という観点からのみ考察し、「強制」に成功したか否かという基準だけから制裁の有効性や妥当性を評価しがちであった。本稿は、経済制裁には他にも重要な目的――「シグナリング」と「封じ込め」――が存在することを指摘し、こうした傾向を批判する。さらに、これら3つの異なる目的が、どのような状況下で成功しうるのかを考察する。最後に本稿は、経済制裁の有効性と妥当性をどのように評価すべきなのかを考える。経済制裁の成否は、「強制」の成否によってではなく、制裁を利用する国家の戦略状況の改善という観点から評価されるべきである。

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経済制裁の目的、成功条件、評価方法などの視点の整理。/ CiNii 論文 -  経済制裁をめぐる4つの問い : より適切な理解のために https://t.co/6uhJqbtpDo

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