- 著者
-
和田 謙一郎
- 出版者
- 四天王寺大学大学院
- 雑誌
- 四天王寺大学大学院研究論集 (ISSN:18836364)
- 巻号頁・発行日
- no.12, pp.67-92, 2018-03-20
敗戦を経験した年齢層のらい(ハンセン病)療養所入所者、及び療養所医療関係者は、らいの「不治の時代」と「治療可能になった時代」をまたぎ、また、戦争を経験した者が敗戦を迎え、GHQ 主導の下での新しい医療施策を経験する。これらを念頭に置き、当時からの療養所入所者の生活実態や、そこに従事した看護婦らの実態を眺め、敗戦後も、そして「治療可能な時代」になっても、なぜ長年、らい(ハンセン病)療養所が特異な療養所として存在し続け、あるいは、そこでの患者らの生活が継続し続けたのか、その検討を進める。