- 著者
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石坂 誠
- 出版者
- 佛教大学大学院
- 雑誌
- 佛教大学大学院紀要. 社会福祉学研究科篇 (ISSN:18834019)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, pp.81-98, 2018-03-01
現在も貧困は拡大し,深刻化し続けている。それに対して貧困・社会的排除に対する制度・政策とソーシャルワークは機能しているとは言えない状況がある。例えば生活保護受給を窓口で制限する等,「制度からの排除」が日常化しており,制度を利用する権利の擁護等,権利擁護の実践がソーシャルワークに求められている。こうした状況の中,ソーシャルワークは貧困・社会的排除にどう対峙していくのか,貧困・社会的排除に対峙するためのソーシャルワークの理論や方法とは何かについて論じた。研究の方法は,先行研究の検討,生活保護をめぐる2つの事件の分析と筆者が行ったグループインタビューの分析から行った。 結論として,貧困・社会的排除に対峙するためのアセスメントの不足,不十分な権利擁護等が明らかになった。そしてソーシャルワークにおいては,ケアではなくコントロールへの偏重があり,反抑圧主義の実践が重要であることが明らかになった。制度からの排除社会的排除権利擁護反抑圧主義の実践