著者
清水 隆裕 入江 拓
雑誌
聖隷クリストファー大学看護学部紀要 = Bulletin School of Nursing Seirei Christopher University
巻号頁・発行日
vol.26, pp.59-68, 2018-03-31

聖隷学園浜松衛生短期大学の教育理念には「人の生命は傷つき、病み、死ぬべき弱い存在である。自分と他人とが共有しているこの弱さの自覚と共感と互助こそ、人間理解と愛と感動の基本であって、それが看護の源泉である」と謳われていた。短期大学からクリストファー大学となり、その教育理念は建学の精神である「生命の尊厳と隣人愛」に包含される形になったが、弱さを人間観の根底に据えた教育理念は他大学と一線を画している。そこで弱さの自覚がなぜ看護の源泉になるのか考察した結果、弱さという自己の「不完全性」を認めることは、苦悩へと繋がるがそれを受け入れた先に、ケア者としての真の思いやりが醸成される。また弱さを受け入れることができれば、ケア者と病者が人間としての弱さを抱える者同士としての開かれた地平にあることができ、そこでの真の出会いと、静かな連帯によって「双方の可能性を開く」という意味が含まれていると考えられた。

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"弱さという自己の「不完全性」を認めることは、苦悩へと繋がるがそれを受け入れた先に、ケア者としての真の思いやりが醸成される。 " CiNii 論文 -  看護の源泉たる弱さの自覚と共感についての一考察 : 聖隷学園浜松衛生短期大学教育理念から https://t.co/TYGMMYmY2l

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