著者
小川 勤
出版者
山口大学大学教育機構
雑誌
大学教育 (ISSN:13494163)
巻号頁・発行日
no.15, pp.25-35, 2018-03

本論文は,発達障害学生がその障害特性ゆえに,他の障害者に比べて就職が難しい現状に着目し,大学から社会への移行をスムーズに行うために,従来の対処療法的な支援にプラスした支援をどのように行っていくのかについて山口大学における実践を踏まえて論じたものである。発達障害学生の移行支援については,本人の自己理解力を高めるとともに,仕事理解力を高める必要がある。自己理解力を高めるためには発達障害学生本人が自分の障害を受容し,自分でできる対処や支援方法を理解するとともに,他の支援者に適切に配慮を要請するスキル,すなわち,「セルフ・アドボカシー・スキル(自己権利擁護力,以下,SAS)」を身に付ける必要がある。また,仕事理解では単に職種・仕事内容を理解するだけではなく,本人の障害状況とのマッチングを意識した支援を行う必要がある。さらに,本論文では,学内支援組織や学外の就労支援機関と連携・協力を行いながらどのようにSASを育成していくのかについて,山口大学における実践事例を交えて解説する。また,学外の就労支援機関と連携していく際に留意するべきことを明らかにする。

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advocacy skillに関しての論文は少ない 日本語で読めるのは下記のが参考になりそう.アメリカ公民権運動の延長であるアサーションでこのスキルを捉えると日本では溝に落ちそうw 発達障害学生のセルフ・アドボカシー・スキル育成に関する研究 https://t.co/x04rEXL4vI

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