著者
平出 昌嗣
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.345-350, 2017-12

[要約] 日本語は母音優位の言語で,ほとんどすべての語が母音で終わる。発音は胸式呼吸で,語感は穏やかで柔らかなものになる。英語は子音優位の言語で,基礎的な語の8割は子音で終わる。発音は腹式呼吸で,破裂音や摩擦音があるため,語感は強く鋭いものになる。リズムは,日本語は一語一語を同じ強さ,同じ長さで発音し,高低アクセントがある。英語は強・弱アクセントの組み合わせで成り立ち,強アクセントが一定の間隔で繰り返されるため,そのリズムに合わせて音が引き伸ばされたり短縮されたりする。この音とリズムは文芸に反映し,日本語は和歌・俳句や歌舞伎のセリフなど,七五調や四拍子に合わせて文が作られる。英語は詩やシェイクスピアのセリフなど,強弱のアクセントの組み合わせでリズムが作られ,そこに言葉が当てはめられる。背後には稲作文化の安定志向,牧畜文化の前進志向がある。

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