著者
吉水 ちひろ
出版者
仁愛大学
雑誌
仁愛大学研究紀要. 人間学部篇 (ISSN:21853355)
巻号頁・発行日
no.16, pp.33-42, 2017

本稿の目的は,インタラクティブ・フォーカシングを用いた共感的傾聴トレーニングのプログラムを,大学院授業用に構成し実践した試みを紹介し,心理臨床初学者にとっての有用性を検討するものである.プログラムは『ハンドブック インタラクティブ・フォーカシング』を土台に,6つのステップと8つの実習で構成されている.受講者の感想からは,新鮮で意味ある実習体験として受け止められ,体験の深まりや被傾聴感を実感し,実践との繋がりを意識しながら自己研鑽の展望を得る様相が示された.心理療法における共感と傾聴という臨床実践の中核的なテーマについて,主体的な気づきによって課題が明確になり,実践への橋渡しとなる有効なトレーニング法であることが示唆された.

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