著者
大川 浩子 本多 俊紀
出版者
北海道文教大学
雑誌
北海道文教大学研究紀要 = Bulletin of Hokkaido Bunkyo University (ISSN:13493841)
巻号頁・発行日
no.42, pp.85-94, 2018-03

近年,就労支援に携わる支援者の人材育成における課題が指摘されている.特に,大半の支援者は実務に携わるまで就労支援に関する知識にふれる機会がなく,支援者としての知識やスキルの獲得には雇用事業所の人材育成が影響すると思われる.今回,我々は就労支援に携わる人材育成の現状と課題を検討する目的で,全国の就労移行支援事業所470ヵ所の管理者を対象にアンケート調査を行った.回収率は51.8%(243ヵ所)であり,回答事業所の事業形態の内訳は,就労移行支援のみの事業所が32ヵ所,多機能型事業所が201ヵ所であった.この二つの事業形態間において,多機能型事業所は事業規模が大きく,管理者の経験年数(就労支援,管理職経験)が長い傾向が認められた.更に,研修システム,及び,研修受講内容,人材育成の課題についても,事業形態間で違いが見られた.これらの結果から,就労移行支援事業所における人材育成の課題は事業形態により異なる可能性があり,その背景として,事業所の業務内容や運営法人の規模の違いが考えられた.従って,就労移行支援事業所における人材育成は,事業形態にあわせた取り組みが必要であると思われた.

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こんな論文どうですか? 就労移行支援事業所における人材育成の現状 : 事業所管理者に対するアンケート調査から(大川 浩子ほか),2018 https://t.co/Dq6UgVKyG7 近年,就労支援に携わる支援者の人材育成における課題が指摘されて…

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