著者
城 憲秀 藤丸 郁代 山口 知香枝 白石 知子 宮武 真生子 堀 文子
出版者
中部大学生命健康科学研究所
雑誌
生命健康科学研究所紀要 (ISSN:18803040)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.73-80, 2018-03

高齢者の公共トイレに対するニーズを把握し、今後の公共トイレのあり方を検討することを目的として、愛知県K市内の高齢者768名を対象とする横断調査を実施した(回収率 約74%)。高齢者全体として、散歩などの外出時にはトイレに行かない者が全体の35%程度存在し、公共トイレの普及はなお必要であることが示唆された。また、清潔さや広さなどがトイレの質的なニーズとしてあげられており、公共トイレは質、量の両者の整備が重要である。また、高齢になるほどトイレの場所がみつけにくいことが明らかとなり、トイレの場所表示もわかりやすくしていくべきである。有疾患者、女性、後期高齢者では手すりの要求が高く、身体面でハンディキャップがある場合、身体動作をスムーズにするガイドも必須である。公共トイレの充実は、高齢者の外出を促進するために重要な要件であると考えられ、今回調査したようなニーズを考慮し、質、量を充足していくことがバリアフリー社会の構築のためには必要である。

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