著者
福田 峰子 加藤 智香子 梅田 奈歩 藤丸 郁代 大島 圭恵 城 憲秀
出版者
中部大学生命健康科学研究所
雑誌
生命健康科学研究所紀要 (ISSN:18803040)
巻号頁・発行日
no.11, pp.73-78, 2015-03

本研究は、アンケートを用いて、生命健康科学部学生とK 市在住の高齢者の双方における世代間交流や生活支援に対するニーズを明らかにすることを目的として調査を実施した。その結果、大学生における高齢者との交流・生活支援活動への参加意思は、6割が参加したいと回答したが、高齢者では「ややしたい」(34.8%)、「あまりしたくない」(27.0%)であり、参加意思が低かった。交流・生活支援への参加方法では、大学生は「自宅から通う」が84.9%で多く、頻度は「月に2回程度」(64.7%)、1回の参加時間は「1回2時間未満」(46.1%)で多く、2~3時間未満と回答した者が8割を占めていた。高齢者では、「自宅に必要な時に大学生に来てもらい利用する」(36.3%)が多かった。次に、高齢者が大学生に望む支援は、「ちょっとした力仕事」(18.4%)、「安否確認」(10.6%)、「電球の交換や高い所の物をとる手助け」(9.3%)の順で多く、大学生は、「話し相手」(20.3%)「ちょっとした力仕事」(16.4%)、「安否確認」(14.7%)の順であった。
著者
城 憲秀 藤丸 郁代 山口 知香枝 白石 知子 宮武 真生子 堀 文子
出版者
中部大学生命健康科学研究所
雑誌
生命健康科学研究所紀要 (ISSN:18803040)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.73-80, 2018-03

高齢者の公共トイレに対するニーズを把握し、今後の公共トイレのあり方を検討することを目的として、愛知県K市内の高齢者768名を対象とする横断調査を実施した(回収率 約74%)。高齢者全体として、散歩などの外出時にはトイレに行かない者が全体の35%程度存在し、公共トイレの普及はなお必要であることが示唆された。また、清潔さや広さなどがトイレの質的なニーズとしてあげられており、公共トイレは質、量の両者の整備が重要である。また、高齢になるほどトイレの場所がみつけにくいことが明らかとなり、トイレの場所表示もわかりやすくしていくべきである。有疾患者、女性、後期高齢者では手すりの要求が高く、身体面でハンディキャップがある場合、身体動作をスムーズにするガイドも必須である。公共トイレの充実は、高齢者の外出を促進するために重要な要件であると考えられ、今回調査したようなニーズを考慮し、質、量を充足していくことがバリアフリー社会の構築のためには必要である。