著者
田中 信之
出版者
富山大学国際機構
雑誌
富山大学国際機構紀要 = Journal of the Organization for International Education and Exchange, University of Toyama (ISSN:2434642X)
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-11, 2018-12

本研究では初級文法クラスにおける授業引継ぎの授業記録の分析により,教師が共有しようとする中身を明らかにした。テキストマイニングにより授業記録を分析した結果,「授業の様子」では日本語学習や体調や態度について,どのような学生が多かったかを記述していた。また,文型や会話の練習に関する記述があり,そこには教師の振り返りも見られた。「学生の様子」では,理解と形の頻度が高かった。理解は文法や文型と共起し,形は活用形として使用される場合や,変換や間違えるなどの語と共起していた。これには文法積み上げ型の授業の実施が背景にあると考えられる。授業記録と講師ミーティング議事録と比較した結果,語の一致率が低く,両者は異なる役割があることが確認された。その一方で,どちらにも教師の内省があまり見られなかった。今後,授業引継ぎや講師ミーティングは教師が振り返り,それを教師間で共有していく場としていく必要がある。

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