著者
進藤 翔大郎
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科
雑誌
人間・環境学 (ISSN:09182829)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.183-199, 2018

本稿は戦後日本で明るみになった, ソ連による対日工作活動であるラストボロフ事件および関・クリコフ事件として知られる事件を近年アメリカ国立公文書館で公開された一次資料を基に扱うことで, シベリア抑留帰還者を用いた米ソによる情報戦の一端を明らかにするものである. これらの事件を取り上げることで, 日本の敗戦直後から抑留帰還者を用いた米ソの熾烈な情報戦が展開されていた事実が浮かび上がるだけでなく, 講和条約後の1950年代全体を通して抑留帰還者を巡る米ソの情報戦が日本に影響を及ぼしていたこと, および, インテリジェンス上の日本の戦後の対米依存を垣間見ることができる.

言及状況

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進藤さんは最近米NARAの文書を活用する形で、この辺に違った形でアプローチしています。いい研究の更新になるといいな~と思いますよね。「ラストボロフ事件および関・クリコフ事件― 戦後日本を舞台とする米ソ情報戦の例として」『人間・環境学』27号(2018年)https://t.co/aIe70PlkFi

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