著者
加藤 理
出版者
文教大学
雑誌
教育学部紀要 = Annual Report of The Faculty of Education (ISSN:03882144)
巻号頁・発行日
no.52, pp.13-20, 2018-12-20

『赤い鳥』が創刊された大正時代は,『赤い鳥』の他に『おとぎの世界』『金の船』『童話』などの児童文芸雑誌が次々に出版され,教育の世界でも,子どもの内発的な動機や児童中心主義を重視した大正自由教育運動が興り,新教育の理想を掲げた学校が開校していった.こうした生活を享受できた人々は,人口比で見ると全人口の6 ~ 8 パーセントの人々にすぎず,大部分の人々は,華やかで自由な大正デモクラシーとは無縁の生活の中で生きていたのである.成田尋常高等小学校では,「他家に雇はれ居るもの若しくは手不足の家庭にあるもの」のために,「特別扱となし時間を択ばず毎日必ず出席して学科を修むるの便宜」を図った記録を残している.本稿では,この時代の農村や漁村の多くの子どもたちの現実とその中での教育支援について,千葉県印旛郡成田尋常高等小学校の「特別出席簿」を中心に考察する.

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加藤 理 -  『赤い鳥』時代の貧困児童の現実と教育支援:成田尋常高等小学校の「特別出席簿」を中心に https://t.co/mc90MMTI3M

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