著者
加藤 理
出版者
文教大学
雑誌
教育学部紀要 = Annual Report of The Faculty of Education (ISSN:03882144)
巻号頁・発行日
no.52, pp.13-20, 2018-12-20

『赤い鳥』が創刊された大正時代は,『赤い鳥』の他に『おとぎの世界』『金の船』『童話』などの児童文芸雑誌が次々に出版され,教育の世界でも,子どもの内発的な動機や児童中心主義を重視した大正自由教育運動が興り,新教育の理想を掲げた学校が開校していった.こうした生活を享受できた人々は,人口比で見ると全人口の6 ~ 8 パーセントの人々にすぎず,大部分の人々は,華やかで自由な大正デモクラシーとは無縁の生活の中で生きていたのである.成田尋常高等小学校では,「他家に雇はれ居るもの若しくは手不足の家庭にあるもの」のために,「特別扱となし時間を択ばず毎日必ず出席して学科を修むるの便宜」を図った記録を残している.本稿では,この時代の農村や漁村の多くの子どもたちの現実とその中での教育支援について,千葉県印旛郡成田尋常高等小学校の「特別出席簿」を中心に考察する.
著者
加藤 理 中田 八洲郎 住吉 正孝 久岡 英彦 小倉 俊介 桜井 秀彦 山口 洋 中里 祐二 南塚 只雄 羽里 信種
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.22, no.11, pp.1317-1320, 1990-11-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
18

ペースメーカー植え込み後にジェネレーターが回転しリードの捻れを生じる現象はPacemaker-twiddler'ssyndromeとしてよく知られているが,その発生は比較的まれである.我々は335例のペースメーカー症例のうち2例で本症候群を認めたので報告する.症例1は72歳,症例2は75歳の女性で各々身長(cm)153,146.5,体重(kg)75.5,64,で房室ブロックのため前胸部皮下にペースメーカーを植え込んだ.症例1では術後早期よりジェネレーターの回転が認められたが一過性に筋攣縮(twiching)が出現する程度でその後無症状であるため放置,4年後の現在も捻れは進行しているが右側臥位でジェネレーターが回転しそうになった時に患者自ら整復しペーシングも順調で経過観察中である.症例2では術後4カ月に筋攣縮出現リードの複雑な捻れを認め症状も持続するため再手術を行いジェネレーターを大胸筋に固定し,破損していたリードを修復した.2症例はいずれも高齢で高度の肥満があり皮下組織が粗であることが発生要因と考えられた.
著者
加藤 理
出版者
文教大学
雑誌
教育学部紀要 = Annual Report of The Faculty of Education
巻号頁・発行日
no.53, pp.219-227, 2019-12-20

『赤い鳥』が創刊された大正時代は,『赤い鳥』の他に『おとぎの世界』『金の船』『童話』などの児童文芸雑誌が次々に創刊されるが,それらを手にした子どもたちはごく一部にとどまっていた.多くの子どもたちは,貧困な生活の中で,貧困な文化環境を強いられ,童謡や童話と無縁の生活を送っていた.そうした時代の中で,投稿欄に多数の作品が掲載されて注目されたのが茨城県である.特に,県西部の小学校の児童の作品は,多くの雑誌を席巻した.そこで,なぜ茨城県の子どもたちが童謡などの芸術的児童文化に接することができたのか,文化環境を分析し,茨城県西部で童謡が隆盛した背景を中心に考察する.
著者
齋藤 里美 齋藤 幸広 濱野 俊明 高関 じゅん 畠中 佳代子(OT) 加藤 理恵(ST) 友井 貴子 内田 賢一
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第25回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.23, 2006 (Released:2006-08-02)

【はじめに】膝蓋骨骨折に対する骨接合術を施行した患者における経過と機能の変化を把握する目的で、調査検討を行ったので報告する。【対象と方法】対象は2002年4月以降、当院にて外傷性の膝蓋骨骨折に対する骨接合術を施行した患者28例(男18女10、平均年齢54.7歳)である。 診療録より、各症例の骨折型、手術日、理学療法(PT)開始日、膝関節可動開始日、荷重開始日、退院日、退院時膝関節可動域、退院時移動能力を調査した。【結果】骨接合術後、PT実施計画に大幅な変更無く退院した例は28例中24例だった。骨折型は腰野の分類で、単純横骨折型8例、第3骨片型が9例、第4骨片以上多骨片型(多骨片型)が7例であった。手術日~PT開始日までは平均1.9日、退院日までは平均24.0日であった。 PT開始日より術側膝関節伸展位での股・膝関節周囲筋の筋力増強、非荷重での立位・歩行を行った。膝関節可動域の回復に合わせて術側下肢の自動介助運動を追加したが、関節運動を伴う積極的な筋力増強は退院時まで行わなかった。 膝関節可動域については、単純横骨折型と第3骨片型では全例で術後1週以内に開始したが、多骨片型では術後1週以内が4例、残りの3例は術後2週以降の開始となった。 部分荷重負荷での歩行は単純横骨折型と第3骨片型では1例を除く16例で2週以内に開始した。多骨片型では4例は2週以内に開始、2例はギプス固定後早期に開始し、残りの1例は5週の安静となった。 24例のうち3例は、手術後ギプス固定が必要となった。うち2例が多骨片型の骨折であり、バイク乗車中の受傷であった。 退院時にギプス固定をしていなかった22例の膝関節屈曲角は平均120°であった。120°に達しなかったものは第3骨片型で9例中3例が100°~120°、多骨片型では6例中2例が90°未満であった。 退院時移動能力は、独歩が9例、T字杖歩行が4例、片松葉杖歩行が6例、両松葉杖歩行が3例、その他2例であった。 一方、28例中4例は在院中に再手術の適応となった。1例は術後10日で転倒し再骨折となった80歳男性で、再手術後2週で部分荷重負荷を開始し、30日後膝関節屈曲角130°でT字杖歩行退院となった。3例は術後早期の画像所見にて骨片脱転が認められ、うち2例は当院で再手術を施行した。術後15・28日後にギプスシーネ下にて部分荷重負荷・関節可動を開始し、43・44日後にそれぞれ片松葉・T字杖歩行にて自宅退院となった。尚、退院時膝関節屈曲角は70・90度であった。【まとめ】膝蓋骨骨折に対する骨接合術を施行した患者について調査検討を行った。再骨折や骨片脱転などで再手術となる例もあった。