- 著者
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大谷 明弘
- 出版者
- 九州保健福祉大学大学院社会福祉学研究科
- 雑誌
- 最新社会福祉学研究 = Progress in Social Welfare Research (ISSN:18809545)
- 巻号頁・発行日
- no.14, pp.77-83, 2019-03-31
本研究は,認知症介護研修の現状と課題を確認した上で,施設介護職員に対する認知症介護教育に「コンピテンシー(competency)」の概念を導入することの意義を明らかにすることを目的に文献研究を実施した.論文検索には,CiNii,J-STAGE,医中誌 webを活用し,11本の論文が該当した.結果,施設介護職員のコンピテンシーに関する研究がほとんど行われていないことが明らかになった一方で,隣接領域である看護師や主任介護支援専門、社会福祉士等に関しては,既にいくつかの研究が行われており,各々の専門教育に導入され始めている現状が明らかになった.このことは,施設介護職員を対象とした認知症介護教育にもコンピテンシーの導入が可能なことを意味している.今後の課題は, 施設介護職員が置かれている労働環境の現状把握,認知症介護における熟練介護職員の優れた行動特性の具体的な概念および省察的実践との関連性を明らかにすることである.