著者
バックリー 節子
出版者
国際基督教大学
雑誌
国際基督教大学学報. I-A 教育研究 = Educational Studies (ISSN:04523318)
巻号頁・発行日
no.61, pp.39-47, 2019-03-31

1990年代のバブル経済崩壊により,日本は中流社会から格差社会へと移行し,さらに社会グループの急増により,多文化社会に突入した。この傾向は社会公正の論争を牽引しているが,責任ある市民の期待を担う青年の多数は公共問題に無関心で,公共,政治活動に従事していない。2015 年6 月,政府は政策を一新しようと,被選挙権年齢を20歳から18歳に引き下げた。しかし未だ単一文化同一性は中央集権政府に統制され,青年は社会から疎外され,引きこもるか社会的政治的暴力に走りがちである。社会の承認,恩恵のない社会参加不可能な状況下で,個人,社会の統合はあり得ない。本研究はまず単一文化同一性,社会格差の下で,青年が直面する問題を捉える。次に心理社会学的立場から,統合の壁となる個人と社会の関係を分析する。最後に公正に影響を及ぼす文化的意味,道徳的価値を分析する。開放的,包含的社会を重視した市民社会を構築するのに,この方法は有意義であろう。

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要旨のはじめの方を読むだけでも「これは読まなくてよさそう」と判断できるので、これはかなり有益な論文要旨ですね。https://t.co/IvnRktmQ84

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