著者
鄭 翔
出版者
日本比較法研究所
雑誌
比較法雑誌 (ISSN:00104116)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.151-170, 2018

第二次世界大戦においてナチスドイツはユダヤ人に対して人類の歴史上でも類をみない卑劣な民族絶滅を実行した。ナチス幹部やその追従者の責任追及は戦後のドイツにとって重く困難な課題であった。ナチスの指導者であったヒトラー,最高幹部であったゲッベルス,ヒムラーらはすでに自殺していたが,ボルマン,ゲーリング,ヘスらは国際軍事法廷で裁かれた。その後も多くの関与者が国内法に基づいて訴追され,刑法においては主として謀殺罪(ドイツ刑法211条)の解釈とその共犯の成否をめぐって様々な議論が続けられてきた。もっとも年月の経過に伴う被疑者の高齢化,証拠による立証の困難性,政治状況の変化等の事情から,ドイツの裁判所で審理される件数が次第に減少し,近年では2011年のLG判決が目につく程度である。本件はしばらく顕在化しなかったSS隊員の裁判として社会の耳目を集めたようである。そこで,本稿は本決定の刑法解釈論上の問題点を明らかにしたうえで,それ以外の問題について,これまでに参照した評釈を紹介したいと思う。

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#政府による酒販店への要請に抗議します 国家が犯罪を犯した事例と、その犯罪に従事した事例。 CiNii 論文 -  海外法律事情 ドイツ刑事判例研究(96)アウシュヴィッツ強制収容所の職務に従事したことが謀殺罪の幇助に当たるとされた事例(https://t.co/0mkZ0rg6jU)

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