著者
奥田 進一
出版者
拓殖大学政治経済研究所
雑誌
政治・経済・法律研究 = Politics, economics and law (ISSN:13446630)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.47-59, 2017-09

2011(平成23)年3月11日の東日本大震災に伴う巨大津波による福島第一原子力発電所事故に関しては全国で約30以上の訴訟が提起されているが,そのほとんどが政府および東京電力の責任の有無と損害賠償請求に関するものである。そのような中で,「いわき市放射性物質除去請求事件」(東京高裁平成25年6月13日・判例集未登載)に引き続き,福島地裁郡山支部において平成29年4月14日に,農地所有権に基づく妨害排除請求権を行使して,農地の除染による原状回復を請求した事件に対する判決が下された。本件判決は,放射性汚染物質の除去と物権的請求権に基づくその排除請求の可否という,新規事例の積み重ねという点からも重要な事件であるとともに,除染方法の詳細な特定を欠くことや確認の利益性の不存在などを理由として原告の訴えを却下した裁判所の判断に大いに疑義があるところ,とくに紹介して評釈を加えるものである。

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こんな論文どうですか? 農地所有権に基づく放射性物質除去請求事件(判例評釈) : 福島地裁郡山支部平成29年2月10日判決(訴え却下・控訴・判例集未登載)(奥田 進一),2017 https://t.co/O8uylay6F1 2011(平成23)…

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