著者
加藤 久和 杉浦 一孝 森際 康友 中村 真咲 楜沢 能生 松本 恒雄 小長谷 有紀 萩原 守 小長谷 有紀 萩原 守 楜澤 能生 松本 恒夫 蓑輪 靖博 大江 泰一郎 恒川 隆生 奥田 進一 中村 真咲 上村 明 鈴木 由紀夫 B.アマルサナー S.ナランゲレル J.アマルサナー SH.バットスフ
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、モンゴル国における土地法制をめぐる諸問題を法社会学的な観点から研究することにより、モンゴル国の土地をめぐる紛争と環境破壊の防止に貢献することを目指した。日本国内で研究会・シンポジウムを開催するとともに、都市・牧地・定着過程にある牧地・農地・鉱山の5つの研究班による現地調査を実施し、その調査結果をモンゴル国で開催した研究成果報告会で報告した。この調査結果は高く評価され、モンゴル鉱物資源法改正のための参考資料としてモンゴル国会にも提出された。
著者
奥田 進一
出版者
拓殖大学政治経済研究所
雑誌
政治・経済・法律研究 = Politics, economics and law (ISSN:13446630)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.47-59, 2017-09

2011(平成23)年3月11日の東日本大震災に伴う巨大津波による福島第一原子力発電所事故に関しては全国で約30以上の訴訟が提起されているが,そのほとんどが政府および東京電力の責任の有無と損害賠償請求に関するものである。そのような中で,「いわき市放射性物質除去請求事件」(東京高裁平成25年6月13日・判例集未登載)に引き続き,福島地裁郡山支部において平成29年4月14日に,農地所有権に基づく妨害排除請求権を行使して,農地の除染による原状回復を請求した事件に対する判決が下された。本件判決は,放射性汚染物質の除去と物権的請求権に基づくその排除請求の可否という,新規事例の積み重ねという点からも重要な事件であるとともに,除染方法の詳細な特定を欠くことや確認の利益性の不存在などを理由として原告の訴えを却下した裁判所の判断に大いに疑義があるところ,とくに紹介して評釈を加えるものである。
著者
奥田 進一
出版者
拓殖大学政治経済研究所
雑誌
拓殖大学論集. 政治・経済・法律研究 = The review of Takushoku University:politics, economics and law (ISSN:13446630)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.83-98, 2018-03-15

江戸時代から明治期にかけての農村において,全国的に「地割制」という土地慣行が存在したことが知られている。これらは明治の地租改正とその後の耕地整理事業とともに急速に姿を消すが,沖縄では昭和最末期まで存在していたことが確認されている。これは,沖縄の地割制と本土の地割制とに差異があることを意味しているとともに,沖縄ではなぜ地割制が最近まで存在していたのかという疑問をも意味している。そこで,本稿では,本土と沖縄の地割制とを分けて史的に精査して,前者は石高制とともに発生生成してきたものであるのに対して,後者は石高制とは無縁のものであったことを実証し,さらに沖縄においては「家」制度が確立しなかったために,「家」制度を基盤としない地割制が往古より存在し,それが比較的今日まで残存するに至ったということを検証した。つまり,古くからの沖縄の家族制度を明らかにするとともに,それに基づく独特の農地利用慣行について,主に法学的見地から解明したものである。