著者
服部 恵 横山 和輝
出版者
名古屋市立大学経済学会
雑誌
オイコノミカ (ISSN:03891364)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.105-117, 2010-03

本稿の課題は,貨幣鋳造政策の実施を通じて旗本・御家人の実質所得が引上げられるという効果が統計的に確認できるかどうかを,1791年から1854 年までの年次データを用いて,検証することである.実証においては,Yamamura(1974)の推計による旗本・御家人の実質所得指数,および明石(1989)の推計による実質貨幣流通量を用いる.旗本・御家人の実質所得は,明確な下方トレンドをとっていないことから,必ずしも彼らの窮乏化を示すものではないが,貨幣鋳造政策が,旗本・御家人の実質所得に正の影響を与えるという効果は観察できない.実質所得は負の自己相関をとり,なおかつマネーサプライの増大により負の影響を受けつつ推移していた.そのため旗本・御家人は,債務者として,進展しつつある貨幣経済に取り込まれつつ消費水準の円滑化を図った.

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CiNii 論文 -  マネーサムライ:貨幣改鋳は旗本・御家人の実質所得を増大させたか? http://t.co/oUAliDAEkq #CiNii 江戸時代の貨幣制度、経済政策のことをマネーサムライと呼ぶのは自分のアイデアだと思っていたらすでに論文が存在していた。なんか悔しい

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