著者
渡辺 雅之
出版者
大東文化大学大学院文学研究科教育学専攻
雑誌
教育学研究紀要 (ISSN:18849202)
巻号頁・発行日
no.9, pp.33-47, 2018-09

問題なのは過激な言動を伴うヘイトスピーチの底流にあるカジュアルヘイトである。もっともこの言葉は学術的に定義されているわけではない。もともとヘイトスピーチを批判し、路上や言論市場でたたかってきた野間易通(C.R.A.C. )や中野晃一(上智大学)らによって、ネット媒体等で使用されている造語である。(図1.参照)渡辺雅之や安田浩一らも2014年頃から、反差別イベントにおける講演・講座でカジュアルヘイトという言葉を使用し、日常の中に潜む差別問題を指摘している。同じ含意のものとしてマイクロアグレションがあるが、これはヘイトスピーチに限定されるものではなく、ジェンダーバイアスなど差別問題に対する構造的かつ包括的な概念で使用されている。そのため、本論においてはヘイトスピーチの問題性を明らかにするために、カジュアルヘイトという概念を用いることにする。カジュアルヘイトとはどのようなものか、その実例を示しながら、どのような問題が潜んでいるかを明らかにするのが本稿の目的である。

言及状況

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"他者の抱く「辛い経験や感情」を自分のものとして引きうける共感性を持っている。しかし、それは…ストレスがかかる。それを回避するために、…彼にも過失がある」と思う心理状態がストレスの隔離" →あるある。

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