著者
松村 洋一郎
出版者
大東文化大学大学院文学研究科教育学専攻
雑誌
教育学研究紀要 (ISSN:18849202)
巻号頁・発行日
no.9, pp.79-94, 2018-09

筆者は、明治・大正期に様々な雑誌に掲載された西洋クラシック音楽の作曲家の伝記情報に関する調査を継続して行っている。本稿はその一部であり、大正期の音楽誌に掲載された、作曲家の伝記情報を扱った記事情報をまとめたものである(本稿では『音楽』誌を対象としている)。今後、大正期の音楽誌全体に関する調査を終えた際に、ここに収録した記事情報も加えて分析を行う予定である。
著者
渡辺 雅之
出版者
大東文化大学大学院文学研究科教育学専攻
雑誌
教育学研究紀要 (ISSN:18849202)
巻号頁・発行日
no.9, pp.33-47, 2018-09

問題なのは過激な言動を伴うヘイトスピーチの底流にあるカジュアルヘイトである。もっともこの言葉は学術的に定義されているわけではない。もともとヘイトスピーチを批判し、路上や言論市場でたたかってきた野間易通(C.R.A.C. )や中野晃一(上智大学)らによって、ネット媒体等で使用されている造語である。(図1.参照)渡辺雅之や安田浩一らも2014年頃から、反差別イベントにおける講演・講座でカジュアルヘイトという言葉を使用し、日常の中に潜む差別問題を指摘している。同じ含意のものとしてマイクロアグレションがあるが、これはヘイトスピーチに限定されるものではなく、ジェンダーバイアスなど差別問題に対する構造的かつ包括的な概念で使用されている。そのため、本論においてはヘイトスピーチの問題性を明らかにするために、カジュアルヘイトという概念を用いることにする。カジュアルヘイトとはどのようなものか、その実例を示しながら、どのような問題が潜んでいるかを明らかにするのが本稿の目的である。
著者
藤本 卓
出版者
大東文化大学大学院文学研究科教育学専攻
雑誌
教育学研究紀要 (ISSN:18849202)
巻号頁・発行日
no.10, pp.53-66, 2019-09

柳田國男の独特の「学習」把握に関わる研究の一環として、一つの傍論として執筆した研究ノートである。柳田は通有の用語法に逆らうようにして、「オボエルことは重荷にならないがマナブことは骨が折れる」と言う。この指摘の深い意味を探るべく、本稿ではオボエルという語が現代の多様な著者たちによって、いかに理解され、どう表記されているかについて、一種の社会言語学的な実態調査を行った結果がまとめられている。