著者
林 邦彦
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
no.93, pp.213-238, 2019

13世紀のノルウェーでフランス語原典からノルウェー語に翻案された後,さらにそれがアイスランド語に翻案されたと考えられている,アーサー王伝説を扱ったサガ作品群のうち,身に着ける女性の不貞に応じて極端に伸び縮みするマントを扱った『マントのサガ』(Möttuls saga)と呼ばれる作品は,フランス語作品『短いマントの短詩』(Le Lai du Cort Mantel)がノルウェー語への翻案を経てアイスランド語に翻案されたものと考えられているが,この『マントのサガ』を基にして,恐らくは15世紀にアイスランドで成立したと考えられている『マントのリームル』(Skikkjurímur)と呼ばれる物語詩は,基本的な物語内容は『マントのサガ』を踏襲しているが,『マントのサガ』と比較すると,作品中,次々と不貞が明らかとなる女性やその相手と思しき男性に対するアーサー王の態度,およびアーサー王と臣下の騎士達との関係の描き方に大きな改変が施されていることがわかる。

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これも大変経緯が複雑そうなアイスランド語文学。 CiNii 論文 -  『マントのリームル』における,アーサー王と臣下の騎士達との関係をめぐって https://t.co/kQQTxu8WB9

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