著者
浅野 清
出版者
史学研究会 (京都大学文学部内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, 1964-09

日本の仏殿建築は最初その外から拝する方式に従って、外観をととのえるものとして、大陸から受容されたが、次第に礼拝者が内部に入りこむようになって、内部空間への関心を深めた。そしてやがて座居に適したコンバクトで落ちついた、独特な堂内を創りだしたのであったが、中世初頭に中囚の新様式を受けいれたのを機緑に、その要求する空間に著しい変質をきたし、伝統的な空間と影響しあって活溌な変化をみせるに至った。こうした空間の捉え方を全く無関係に発展したヨーロッパの教会堂等に見られる空間への指向と各発展段階毎に比較することによって、我が国の建築に現れた民族文化の特性を考える一助としたい。

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