著者
富澤 萌未
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.18, pp.182-196, 2020-03

『源氏物語』には、一人称的な固定化した視点というものでは捉えきれず、語りの位置が不安定で流動的になっている場面がしばしば認められる。このような文章の特徴については先行研究でもさまざまに論じられ、議論が深められてきた。しかし、このような語りが生じる機構について日本語の特徴を捉えて言及しているものはほとんどない。本論では、現代の学校文法でいう形容詞、形容動詞が主客未分化な特徴を持っているために、語りの中に登場するとその語りの位置が不安定になることを指摘する。

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富澤 萌未 - 形容詞から考える『源氏物語』の語り https://t.co/oHv8fXPoZ6
日本語学・言語学における「テンス・アスペクト」概念の受容が追い付いてないことの無念さも感じる……。この使い方なら、従来型の「助動詞」「複語尾」で良いと思う。 https://t.co/TcZkmbIdGW

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