著者
安松 みゆき
出版者
別府大学会
雑誌
別府大学紀要 = Memoirs of Beppu University (ISSN:02864983)
巻号頁・発行日
no.61, pp.1-13, 2020-02

小論では、これまで都市単位での建築遺構に注目してきたが、今回は、ナチ政権下では象徴的な意味を持つ事例を取り上げた。そして3回の考察にわたって用いた分析方法、すなわち、破壊(一部破壊も含)、転用、変更なし、廃墟に分析した上で、これ以前に取り上げた事例と比較し検討した。それによって、破壊された遺構には、土地の持つ意味を変えてしまうほどの政治性の有無が深く関わっている可能性が想定された。その場合には、ナチドキュメンテーションセンターなどを設立することで、負の遺産であることを明示していた。ミュンヒェンでは文化都市であるため、総統官邸も芸術関係の転用によって脱ナチ化を実施するなど、都市によっても脱ナチ化の様相は異なっていた。脱ナチ化には問題点も残され、この問題は引き続き留意しなければならない。

言及状況

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CiNii 論文 -  戦後ドイツの脱ナチ化をめぐって : ナチの象徴的建築を事例に(4) https://t.co/crPKsZuyQU #CiNii

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