著者
下村 脩 江口 昇次
出版者
日本化学会
雑誌
日本化学雑誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.81, no.9, pp.1434-1439, 1960-09

(第1報) 1,2,4-トリ置換-5-イミダゾロンの合成ならびにその紫外線吸収スペクトル2-メチル-4-ベンジリデン-5-オキサゾロン(Ⅰ)に種々のアミン類を作用させてアミドとし, このアミドを脱水閉環して1-置換-2-メチル-4-ベンジリデン-5-イミダゾロンをえたが, トフェニル置換体の場合にはアミドを経由するよりも, オキサゾロン(Ⅰ)とアニリンの直接反応による方が, はるかに容易に合成できることを知った。また, 2位へのメチル基以外のアルキル基の導入, 4位のイソプロピリデン基の導入, ならびに合成した14種のトリ置換-5-イミダゾロンの紫外線吸収スペクトルについても検討した。(第2報) 5-イミダゾロン類の接触還元ならびに生成物のPKa'4-ベンジリデン-5-イミダゾロン類および4-イソプロピリデン-5-イミダゾロン類をメタノール中でAdamsの酸化白金あるいはパラジウム黒を触媒として接触還元した。酸化白金を用いた場合には 1mol の水素による還元生成物(以下1モル還元物と呼ぶ)を結晶状に得ることはできなかったが, 2モル還元物(5-イミダゾリドン)は15種の化合物を塩酸塩結晶として得ることができた。パラジウム黒を用いた場合には 1mol の水素を吸収したのち還元が停止し, 1-フェニル-2-メチル-4-ベンジリデン-5-イミダゾロンからは mp82度~84度Cの結晶を得た。また, 得られた15種のイミダゾリドンのPKa'を測定して, その結果から5-イミダゾリドン環のpKa'におよはす種々の置換基の影響についての考察を試みた。

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