著者
下村 脩
出版者
日本化学会
雑誌
日本化学雑誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.179-184, 1960-01

(第2報) 海ホタルルシフェリンの性質および分子式について約5kgの良質な乾燥海ホタルから海ホタルルシフェリンの結晶約70mgをうることができたので, これを用いて吸収スペクトル, 酸化および還元による変化, 呈色反応などについて調べ, 加水分解によって構成成分を知り, また分子量測定および元素分析により分子式を求めた。その結果, 海ホタルルシフェリンの構造中にはイソロイシン, γ-グアニジノ酪酸およびトリプタミンの骨格を含み, 分子式C21H28O2N6・2HClを有することを知った。(第3報) 海ホタルルシフェリンおよびヒドロルシフェリンの推定構造海ホタルルシフェリンおよびその誘導体について前報までに得られた知見をもとにし, あらたにいくつかの実験を行ない, これらに考察を加えて, ヒドロルシフェリンの構造をⅡ, 海ホタルルシフェリンの構造をⅨと推定した。名古屋大学に学位論文として提出
著者
下村 脩 江口 昇次
出版者
日本化学会
雑誌
日本化学雑誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.81, no.9, pp.1434-1439, 1960-09

(第1報) 1,2,4-トリ置換-5-イミダゾロンの合成ならびにその紫外線吸収スペクトル2-メチル-4-ベンジリデン-5-オキサゾロン(Ⅰ)に種々のアミン類を作用させてアミドとし, このアミドを脱水閉環して1-置換-2-メチル-4-ベンジリデン-5-イミダゾロンをえたが, トフェニル置換体の場合にはアミドを経由するよりも, オキサゾロン(Ⅰ)とアニリンの直接反応による方が, はるかに容易に合成できることを知った。また, 2位へのメチル基以外のアルキル基の導入, 4位のイソプロピリデン基の導入, ならびに合成した14種のトリ置換-5-イミダゾロンの紫外線吸収スペクトルについても検討した。(第2報) 5-イミダゾロン類の接触還元ならびに生成物のPKa'4-ベンジリデン-5-イミダゾロン類および4-イソプロピリデン-5-イミダゾロン類をメタノール中でAdamsの酸化白金あるいはパラジウム黒を触媒として接触還元した。酸化白金を用いた場合には 1mol の水素による還元生成物(以下1モル還元物と呼ぶ)を結晶状に得ることはできなかったが, 2モル還元物(5-イミダゾリドン)は15種の化合物を塩酸塩結晶として得ることができた。パラジウム黒を用いた場合には 1mol の水素を吸収したのち還元が停止し, 1-フェニル-2-メチル-4-ベンジリデン-5-イミダゾロンからは mp82度~84度Cの結晶を得た。また, 得られた15種のイミダゾリドンのPKa'を測定して, その結果から5-イミダゾリドン環のpKa'におよはす種々の置換基の影響についての考察を試みた。
著者
斎藤 信房 国分 信英 垣花 秀武
出版者
日本化学会
雑誌
日本化学雑誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.45-47, 1950-02