- 著者
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冨山 清升
庄野 宏
- 出版者
- 鹿児島大学
- 雑誌
- 鹿児島大学総合教育機構紀要
- 巻号頁・発行日
- no.4, pp.101-116, 2021-03
現在、AI やビックデータの処理といった新たな情報科学分野が発展しつつあり、日常生活においても急速に浸透しつつある。これらの分野を扱う基礎科学は数理データサイエンスと呼ばれており、大学においても全大学生の必須の知識として身につけることが求められている。鹿児島大学では、数理データサイエンス教育(以下DS 教育と略す)を全学必修科目として教える事が計画され、2020年度から実行に移された。鹿児島大学におけるDS 教育の全学必修化は、2019年度5月から共通教育センターにより計画立案されたが、異例の短期間で実施することができた。鹿児島大学におけるDS 教育の教育プログラム具体化の過程を、他校の事例の調査、各学部との折衝、鹿児島大学独自案の策定、各種会議の承認、などの観点からまとめた。また、DS 教育の基本プログラムとして、1年次に全学必修科目となっている「情報活用」にDS 教育の初歩的内容として組み込み、1・2年次に主に理系学部で準必修科目となっている「基礎統計学入門」をDS 教育の応用的内容として位置づけ、各学部の専門課程で行われるDS 教育の専門的内容につなげていく、積み上げ式のカリキュラム内容を示した。