- 著者
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原 瑞穂
- 出版者
- 山梨大学教育学部附属教育実践総合センター
- 雑誌
- 教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 = Journal of Applied Educational Research (ISSN:18816169)
- 巻号頁・発行日
- no.26, pp.179-192, 2021-03
大学のキャリア教育で使用している自己評価を目的とした振り返り方法は多様である。本研究では、同じプログラム内容の授業で、取り扱う振り返りの方法によって学生に及ぼす影響が異なるのかどうかを検証した。本学では平成 28年度以来、成績に関する評価要件である課題レポートと評価に直接関係しないOPPA(One Page Portfolio Assessment)を振り返りに使用しており、本研究では、「キャリア形成科目N」を受講した平成 28年度と令和元年度前期に学生を対象に、OPPAの使用の有無によるクラスごとの学生の変化を調べた。その結果、OPPAを使用したクラスは、自尊感情、自己効力感、二次元レジリエンス、進路選択に対する自己効力で授業後に効果が見られた。一方、OPPAを使用しなかったクラスは、自己効力感のみに効果が見られた。他に、OPPAを使用しなかったクラスの自尊感情と進路選択に対する自己効力が低下したことが、OPPAを使用したクラスと異なる点であった。これらの結果から、OPPAの使用は学生に学ぶ意味を考える機会を与えることによって授業に真摯に取り組む姿勢が生まれ、結果として授業効果が得られることが示唆された。