著者
加美 嘉史
出版者
佛教大学福祉教育開発センター
雑誌
福祉教育開発センター紀要 (ISSN:13496646)
巻号頁・発行日
no.13, pp.117-132, 2016-03-31

本研究は戦後京都市の住所不定者対策を考察するものである。本稿では特に「浮浪者」の収容保護を行う更生施設「京都市中央保護所」の再編整備が行われた昭和30年代に焦点をあて、京都市の住所不定者対策がどのように展開されたのか考察した。当時、浮浪者は国際観光都市・京都の美観を損なう存在と見なされ、度重なる「狩り込み」による取り締まりを受けていた。特に稼働能力のある浮浪者に対しては狩り込みによる検挙、中央保護所における一時収容と他地域への移送がセットで行われた。浮浪者に対しては中央保護所への収容保護を前提とし、一時収容に制限・限定する市の住所不定者に対する保護行政の特殊な枠組みはこの時期に形成された。このような更生施設における短期保護を原則とした戦後京都市の住所不定者対策の基本的フレームワークは1990年代まで維持・継続された。住所不定者浮浪者更生施設京都市中央保護所生活保護

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https://t.co/0cJXBQuw0l 加美嘉史(2016)「戦後京都市における「住所不定者」対策と更生施設:昭和30年代の「浮浪者」と「京都市中央保護所」を中心に」。 >当時、浮浪者は国際観光都市・京都の美観を損なう存在と見なされ、度重なる「狩り込み」による取り締まりを受けていた。

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