著者
田中 聡 佐々木 邦博 上原 三知
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.21-30, 2010-03

名勝における利用者の評価や動態を明らかにするため,甲信地方の峡谷の名勝地である,天龍峡,寝覚の床,御岳昇仙峡において,利用動態と評価を,フィールドマップ調査とアンケート調査により把握した。共通して利用者が名勝に求める目的は「眺望」と「自然散策」であった。一方で実際に魅力に感じる要素は,天龍峡では散策路の多様性や眺望景観。寝覚の床では自然散策や探索の面白さ,体験,御岳昇仙峡では視対象が大きく限定的な滝,岩山といった迫力のある景観であった。良好な景観を楽しむだけでなく,自然散策というレクリエーションを同時に楽しめることが名勝の現代的意義の一つであることが示唆された。

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