著者
銭谷 真人
出版者
鎌倉女子大学
雑誌
鎌倉女子大学紀要 = The Journal of Kamakura Women's University (ISSN:09199780)
巻号頁・発行日
no.28, pp.13-24, 2021-03-31

以前の論文で人情本の序文と本文の仮名字体について比較を行ったところ、人情本においては実用的な字体と装飾的な字体の分化が既に完成されていた。本稿では洒落本について同じように比較を行った。その結果、洒落本においては分化の途上であったことが判明した。さらに人情本と洒落本の仮名字体の比較を行ったところ、以下に述べることが分かった。①洒落本の本文で使用されていた仮名字体の一部は、人情本では序文にだけ見られた。②標準的な字体と字母が同じで字形が異なる仮名字体が、装飾的な字体として用いられた。③複雑な字形の仮名字体が本文では用いられなくなった。 つまり、仮名字体の収斂の傾向は、字体の消滅ではなく立ち位置の変化であると考えられるのである。

言及状況

はてなブックマーク (1 users, 1 posts)

Twitter (8 users, 10 posts, 8 favorites)

銭谷 真人 - 洒落本の序文における仮名字体 : 実用的字体と装飾的字体の分化について https://t.co/ggrWtHsiji
銭谷 真人 - 洒落本の序文における仮名字体―実用的字体と装飾的字体の分化について― https://t.co/ggrWtHsiji
銭谷 真人 -  洒落本の序文における仮名字体―実用的字体と装飾的字体の分化について― https://t.co/kBMfZ0WJeJ

収集済み URL リスト