著者
横井 雅子
出版者
国立音楽大学
雑誌
研究紀要 = Kunitachi College of Music journal (ISSN:02885492)
巻号頁・発行日
no.55, pp.121-130, 2021-03-31

外部者としてハンガリーに流入したロマが18世紀後半にジプシー楽団を形成し、国内のみならずヨーロッパで広く人気を博したことは比較的よく知られている。楽譜の読み書きも出来なかった彼らが全てのレパートリーを記憶し、卓越した技術でアンサンブルを成立させるさまは、楽譜を介しての音楽作りがデフォルトだった人々にとっては驚異であったに違いない。しかし、このことだけでは彼らが「ハンガリー風」音楽の仲介者となった力学を説明することはできない。また、彼らが取り次いだ音楽がさまざまな形で多様に親しまれ、人口に膾炙していったありさまはジプシー楽団だけに注目しても理解できない。「ハンガリー風」音楽がどのように広まるのか、どのような需要を生み出したのかを、ここでは初期の「ハンガリー風」音楽の著名な作り手であったラヴォッタ・ヤーノシュと関わる作品の楽譜の検証を通して跡付けた。

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“CiNii 論文 - 19世紀ハンガリー音楽における地域性の醸成 : 「ハンガリー風」音楽はいかに受け入れられたのか” https://t.co/7xORnqTAy0 ※本文リンクあり

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