著者
飯塚 遼 矢ケ﨑 太洋 菊地 俊夫
出版者
東京都立大学大学院都市環境科学研究科観光科学域
雑誌
観光科学研究 = The International Journal of Tourism Science (ISSN:18824498)
巻号頁・発行日
no.14, pp.87-96, 2021-03-15

摘要 本研究はフランス・ノール県ダンケルク郡を事例としてビールツーリズムの展開にともなうロカリティの再編について考察することを目的としている。ダンケルク郡におけるビールツーリズムは農村景観や集落景観などの農村を構成する要素が観光資源となり,それらが観光プロモーションプログラムを通じて結合されることにより存立していた。また,ダンケルク郡におけるビールツーリズムの空間は,同様のプログラムが設定されているベルギー側のウェストフーク郡にまで広がりをみせていた。そこでは,両地域の文化の共通性が観光資源に内包されていた。いわば,ダンケルク郡でフランスという国家的枠組に組み込まれたことで失われつつあったフランデレンのロカリティが,ビールツーリズムを通じて回復されていた。

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