著者
楊 冠穹 Guanqiong Yang
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
研究論集 = Journal of Inquiry and Research (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
no.114, pp.111-120, 2021-09

作品のジャンルが異なるとはいえ、同様にポスト鄧小平時代に青春を過ごした世代として、「詩界80后」と「新概念作家群」には多くの相違が見られる。例えば、今もインターネットを重要な根拠地とした「80后」詩人たちは、民間活動として詩の創作や自主出版を経て、ようやく体制内の文芸誌にデビューし、商業出版とはあまりかかわらないような姿勢を取ってきた。一方、「新概念作家群」は、中国作家協会直属の青少年文芸誌である『萌芽』の意図的な企画によって広く知られていると同時に、文芸誌の連載を通さないで直接に長編小説の出版に至ったという市場経済の原理が果たした結果とも認識されている。本稿は、「80后」詩人が登場する時代背景と過程を整理する上で両者を比較し、「新概念作家群」と「詩界80后」は同じスタートラインに立ったのではなく、むしろまったく異なる道を歩み、二つの平行線を描いていることを検証した。

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