- 著者
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大谷 鉄平
- 出版者
- 北陸大学
- 雑誌
- 北陸大学紀要 = Bulletin of Hokuriku University (ISSN:21863989)
- 巻号頁・発行日
- no.51, pp.173-187, 2021-09-30
〔査読有り〕の研究ノート一般に、挨拶表現の「ありがとう(ございます)」は、感謝の意を受信者に伝達する。一方、これが夕形となった「ありがとうございました」は、同様に謝意をあらわすと同時に、談話の結末部では、暗意としての「会話の終了」を示唆する。本稿では、ラジオ番組の音声資料をもとに、言語運用能力が未発達と思われる年少者と、年長者とのやりとりの観察から、子どもがどのように「会話の終了」との解釈を得るか、または年長者はその解釈を促すためどのような方略を用いるかについての考察を行った。