著者
山本 茂貴
出版者
The Japan Society of Veterinary Epidemiology
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.133-133, 2009

第15回カンピロバクター,ヘリコバクターおよび関連微生物に関する国際ワークショップ(CHRO2009)が平成21年9月2日から5日まで新潟県新潟市の朱鷺メッセで開催された。このワークショップは2年に1度開催され,世界各国から約600名のカンピロバクターおよびヘリコバクターの研究者が参加した。<BR>9月2日の夕方から学術総会長の山本達男新潟大学医学部教授の開会挨拶に続き,ヘリコバクターの発がん誘導における遺伝学的研究に関する基調講演が国立がんセンターの牛島俊和博士により行われた。つづいて,<I>cag</I>A遺伝子発見20年,CagA腫瘍誘導タンパク,カンピロバクターとギランバレー症候群に関する3題の特別講演が行われた。<BR>9月3日からは午前中に非定型CHROの命名に関する早朝講義,続いて,自然宿主におけるカンピロバクターとヘリコバクターの保菌状態,疫学と耐性菌,ヘリコバクターのワクチンに関して全体講演があった。午後からは,8つのセクションに分かれて口頭発表が行われた。それぞれのセクションは1.カンピロバクターの疫学,2と6.カンピロバクター病原性と遺伝学的研究(1)および(2),3.カンピロバクターの動物感染モデルと治療,4.ヘリコバクターの疫学,5.カンピロバクターの遺伝子型と薬剤耐性,7.カンピロバクターの予防,8.ヘリコバクターの病原性と遺伝学的研究があり,若手の研究者を含めて発表があった。夜は学会主催のディナーに先立ち,能を鑑賞した。<BR>9月4日はCHROの薬剤治療と薬剤耐性について早朝講義があり,続いて,カンピロバクターとヘリコバクターに分かれてシンポジウムが開催された。カンピロバクターシンポジウムの第1部はギランバレー症候群,第2部は病理発生,ヘリコバクターシンポジウムの第1部は感染メカニズム,第2部は臨床的話題に関してであった。午後は4つのセクションに分かれて口頭発表があり,テーマは9.カンピロバクターの予防(2),10.アーコバクター,11. CHROの病原性と薬剤耐性,12. CHROの動物感染モデルであった。<BR>そのあと,ノーベル賞受賞者のバリーマーシャル博士よる「ヘリコバクター・ピロリと胃癌」について特別講演が行われた。<BR>9月5日の最終日はCHROの遺伝子解析について早朝講義があり,続いて,ヘリコバクターと胃癌について2つのシンポジウムとカンピロバクターのリスクアセスメントおよび農場でのコントロールに関するシンポジウムが行われた。<BR>次回は2011年にカナダのバンクーバーで開催されることが決まった。

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こんな論文どうですか? 第15回カンピロバクター,ヘリコバクターおよび関連微生物に関する国際ワークショップ参加報告(山本 茂貴),2009 http://t.co/VHv0ShcJ
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