著者
大井 学
出版者
Japanese Association of Communication Disorders
雑誌
聴能言語学研究 (ISSN:09128204)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.224-229, 2002-12-30
被引用文献数
2

最近の他者理解研究と語用論研究の進歩に支えられて,高機能広汎性発達障害をもつ個人に対するコミュニケーション支援が有望となり始めている.それには彼らの適応改善や精神障害の予防効果も期待できる.しかし,彼らの語用障害の広大さと根深さについての明確な理解なしには,専門家の努力は無効となることが懸念される.技法の妥当性に関するこの視点からの十分な吟味がないまま,伝達スキルを訓練したり会話の知識を教えたりしても,役に立たないばかりか,彼らの混乱と不安を増やすことにさえなりかねない.今のところ次の3つが実行可能なアプローチとして考えられる.(1)彼らと周囲とのコミュニケーションの崩壊の修復,(2)周囲の人々が効果的なコミュニケーション戦略を用いるよう促す,(3)高機能児・者同士の仲間体験機会の提供.いずれの場合も彼らとのコミュニケーションに関する専門家のリフレクションが重要な鍵となる.

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こんな論文どうですか? 「誰かお水を運んできてくれるといいんだけどな」 : 高機能広汎性発達障害へのコミュニケーション支援(大井 学),2002 http://t.co/zOpzHcM44p
こんな論文どうですか? 「誰かお水を運んできてくれるといいんだけどな」 : 高機能広汎性発達障害へのコミュニケーション支援(大井 学),2002 http://t.co/zOpzHcM44p
こんな論文どうですか? 「誰かお水を運んできてくれるといいんだけどな」 : 高機能広汎性発達障害へのコミュニケーション支援(大井 学),2002 http://t.co/wjl1zxXz

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