- 著者
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高瀬 幸子
合田 敏尚
- 出版者
- Japan Society of Nutrition and Food Science
- 雑誌
- 日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.2, pp.133-138, 1990
- 被引用文献数
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十二指腸粘膜膜酵素活性の誘導機構の解明を目的とし, ふ化前のふ卵14日目のニワトリ胚にヒドロコーチゾンならびにビタミンD<SUB>3</SUB>を投与して (ヒドロコーチゾンは17日目に2回目の投与) 十二指腸粘膜刷子縁の膜脂質の脂肪酸組成に及ぼす影響を観察し, 同時に膜酵素としてスクラーゼとアルカリホスファターゼ活性を測定した。これら膜酵素活性の誘導と刷子縁膜脂肪酸組成の変動との関連について比較検討した。<BR>1) ヒドロコーチゾン投与によりふ卵20日胚の十二指腸粘膜重量, 粘膜DNAおよび粘膜刷子縁の膜タンパク質量が増大したが, DNA当りのタンパク質量は増加せず対照群と同じであった。ビタミンD<SUB>3</SUB>投与ではそのような効果はみられなかった。<BR>2) 十二指腸刷子縁膜脂質の脂肪酸組成は, ヒドロコーチゾンならびにビタミンD<SUB>3</SUB>投与のいずれの場合にも18: 2 (ω6) と20: 4 (ω6) のω6系の長鎖多価不飽和脂肪酸が著明に増加した。<BR>3) ヒドロコーチゾンの投与により, スクラーゼ活性とアルカリホスファターゼ活性が増大した。ビタミンD3投与によりアルカリホスファターゼ活性が増大したが, スクラーゼ活性の誘導は起こらなかった。