著者
小木曽 裕
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.561-564, 2009
被引用文献数
3 1

21世紀になり地球環境への関心は、急速に高まっている。その中で都市緑地の重要性の認識もされてきていて、公共において保全、整備する緑地は基より、民有地の緑地についても期待が寄せられている。今日、環境共生や生態学的な配慮をする上で、ビオトープの創出が行われているが、都市再生機構においても団地空間の中にビオトープの整備を行ってきていて、平成4年に高槻・阿武山団地(大阪府)で実施したのが最初である。高槻・阿武山団地のビオトープは事業地区の公共施設である調整池を整備したものである。団地内に整備した団地は、首都圏において平成17年度末で15団地ある。その中で山崎団地(建替後:レーベンスガルテン山崎)は、平成8年度からコンセプトワークを始め、環境共生型住宅として整備を行ってきた。そして、レーベンスガルテン山崎における、地域環境と連携した計画・設計及び調査や効果については、平成13年から20年までの間、継続して報告している。そこで、本研究では、今日期待される居住環境に身近な場所での生態系への配慮や、居住者の利用としての緑地整備の一手法であるビオトープに関して、継続して報告しているレーベンスガルテン山崎において、利用者である居住者の認識と評価を把握し、居住者の求めるビオトープの姿を明らかにすることを目的とした。

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