- 著者
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林 まゆみ
- 出版者
- 日本造園学会
- 雑誌
- ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
- 巻号頁・発行日
- vol.72, no.5, pp.829-834, 2009
- 被引用文献数
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3
国内では、成熟社会を迎える中、地域の活性化を目指した公園の利活用や地方自治法の改正による指定管理者制度の導入を踏まえた管理運営のあり方等について、各地で模索が続いている。公園の管理運営を目的とした管理運営計画(以下PMPとする)は、現在では一元化した制度による位置づけはまだなされていない。PMPに関しての先進的事例として、筆者はニュージーランド(以下NZとする)に着目した。NZは日本の約3分の2(270,500平方km)の広さの国土に、2008年9月21日現在、人口が約427万87百人と我が国と比べると少なく、緑豊かな国である。人口密度は15.8人/平方kmであるが、オークランド、ウエリントン、クライストチャーチの3都市を合わせると約197万人になる。国全体としての入口密度は低いが、大都市に集中している。本論ではNZ独自の風土や背景のもと、多層的な法制度上に成り立つ『参画と協働』の仕組みによるPMPの策定を有用な情報として示し、今後我が国でもPMPの策定がより進展するための指針となることが重要な目的の一つである。