著者
加藤 孝明 宮川 勇二
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.495-499, 2011
被引用文献数
1

本研究では, 荒川下流域における大規模水害を想定し, 避難指示発令時の鉄道による全員避難を想定し, 遠距離避難シミュレーションを行い, 広域避難の可能性について分析を行った.居住地から駅までの歩行シミュレーションでは道路上での歩行速度の低下がみられるが, このことは, 鉄道の輸送能力がネックとなり, 待ち行列となるため, 最終的な問題とはならない.一方, 鉄道による避難については, 現在の行政対応の枠組みで想定される運転では避難に長時間を要する.ただし, 都心側での乗車制限や列車の臨時増発を行えば, 避難指示から決壊までの間での避難の可能性は残されることが明らかとなった.その場合, 鉄道会社, 周辺自治体と統一された指揮命令系統下での対応が必要とされる.一方, 乗車待ちの駅構内及び周辺の滞留者はいずれのケースでも数万人規模と膨大であり, 群衆の管理が非常に大きな課題となることが明らかとなった.バスによる避難, 自家用車避難, 徒歩避難, 建物内退避, それぞれのキャパシティを分析し, 多様な交通手段を組み合わせて最適な避難方法を探求していく必要がある.[本要旨はPDFには含まれない]

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こんな論文どうですか? 荒川下流域の海抜ゼロメートル地帯における鉄道による広域避難の可能性の検討(加藤 孝明ほか),2011 https://t.co/R2LMn3JWr9
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