- 著者
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児島 清秀
山田 彬雄
山本 雅史
- 出版者
- 園芸学会
- 雑誌
- 園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
- 巻号頁・発行日
- vol.63, no.2, pp.335-339, 1994
- 被引用文献数
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7
5
本実験ではバレンシアオレンジ果実の生長速度が高い秋期の果実を部分 (果芯, 種子, 果肉, アルベド,フラベド) に分けてアブシジン酸 (ABA) とインドール-3-酢酸 (IAA) を分析した. ABAとIAAは, 内部標準として<SUP>3</SUP>H-ABAと [<SUP>13</SUP>C<SUB>6</SUB>] IAAを使用し, ガスクロマトグラフィー電子捕獲型検出器と質量分析器(選択的イオンモニタリング) で測定した. 果肉と種子の重さは急激に増加したが, アルベドとフラベドの重さはゆるやかに増加した. 150DAB (開花盛期後の日数) に, 種子のABA濃度は大きなピーク (21nmol•g<SUP>-1</SUP>生重量) を示したが, 果肉は小さなピーク (5nmol•g<SUP>-1</SUP>生重量) であった. 種子中のIAA濃度は150DABまで減少したが, 他の分析した部分よりも高い濃度であった. 果芯部のIAA濃度は119DABにピークを示し, 果肉•アルベド•フラベドよりも高い濃度を保った. アルベド, フラベドは同程度の低いIAA濃度であった. 得られた部位別の植物ホルモン量より, 種子中のABAと同化物集積性や果芯部のIAAと維管束との関係, 果肉と果皮間のABAの非移動性, 部分別の植物ホルモン分析の必要性が示唆された.